三角家(15巻149話)
小木半島は宿根木集落の中にある変わった形の建物。
月島軍曹はこの家の周辺で子供時代に島の人間と喧嘩したり、戦争から帰還して自分の戦死に関するデマを耳に入れたりしているので、この近辺に彼の故郷があったのだろう。
三角家のある海に近い地区は蔵付きの民家が多いことから裕福な家が集まっていたことが想像でき、軍曹の生家は海からもう少し離れた場所にあったのではないかと思われる。
軍曹を「人殺しの息子」「悪童」と罵っていた人間が、三角家あるいはその近所に住んでいたのだろうか。
民家の内部を有料で見学することができる。
中身も本当に三角なのだが、
部屋や居間などの居住部分は四角く切り取られ、三角の角の部分は物置など普段立ち入らない空間に割り当てられている。
生活するにあたって、不便さを感じないように間取りが工夫されていることがよくわかる。
作中に民家の内部は登場しないが、せっかくなら見学してみると面白い。
三角家から海へと続く道。
月島少年も海に行くときはここを通ったのだろう。
おまけ。
三角家から少し歩いたところにある小木民族博物館は、かつて宿根木に存在していた小学校の校舎を使用していて、廊下や教室にその名残が見える。
建造されたのは大正期だが、月島軍曹はこんな学校で勉強していたのかもと想像しながら歩くと楽しい。
月島軍曹が武器にしていたのはどれだろう?
尖閣湾(15巻149話〜150話)
月島軍曹の初恋の「あの子」との回想に出て来た思い出の場所のひとつ。
また、軍曹の死刑を阻止するため鶴見中尉が調査に赴いた場所のひとつでもある。
佐渡の北半分、大佐渡海岸の「尖閣湾揚島遊園」に入場すると見ることができる。
「島のみんなが『いご草』とからかった」
彼女の履物が見つかったと思われる場所。
岩の形が似ているけれども、詰めが甘いので同じ角度の写真を撮ることができなかった。
150話の扉絵。
たらい舟はあったけど、海では乗れず……。
透き通る海と立派な岩壁で、どこを切り取っても絵になる美しい場所。
天気に恵まれ波も穏やかだったので、のんびりと月島軍曹の幼少期に想いを馳せることができた。
ただ、5月下旬とは思えない暑さを記録した日だったため、
強い日差しに照りつけられて、たった2時間足らずの滞在にもかかわらず赤く日焼けしてしまった。